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高瀬友規奈オフィシャルブログ

友規奈主義

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Let’s play a GAME

千秋楽から一週間とちょっとばかり経ってしまいましたが。
6月26日、舞台「Let’s play a GAME」が無事に終演致しました。


わたし自身8本目の脚本・演出作品。
例のごとく書きたいことは山ほどありますので、また徒然と綴っていきたいと思います。




さて、挑戦や初めての事があるのは毎度のことですが、今回の一番のポイントは全キャスト女の子だったというところかな、と。


昨年の夏の終わりか、秋頃だったかな。今回のプロデューサーから「友規奈ちゃん、女の子だけの舞台を作りたい」と言われました。なので、もちろん脚本、演出も女性が良いと。

そして「もちろん友規奈ちゃんにお願いするってことは、可愛いだけの女の子舞台を作ってほしいわけじゃないから。エグいの、よろしく。」とのお言葉。(わたしの作品のイメージたるや)


与えられた条件はこれだけ。
日々たくさん上演されている女の子舞台の中で、さて、どんな線引きができるか、わたしが引き出せる女の子という生き物はどんなものか、ずっと考えていました。



昨年末にはおおまかなプロットはあげていたのですが、今年は3月末にもひとつ脚本、演出をしていた舞台があったので、こちらの脚本に取りかかったのは実は4月に入ってからで。(基本的にひとつのことにしか集中できないタイプ)
そこから5月あたまに第一稿をあげ、5月23日の顔合わせまでに決定稿をあげたわけですが、これだとまるですんなり書けたかのようですが、もちろんそんなはずはなく。


というのも、今までわたしが書いてきた題材は、薬物中毒、奇形児達の見世物小屋、精神病棟、臓器移植、といった設定からして特異なものばかり。
しかし今回は、“10人の女の子がゲームに参加する”というなんてことない設定。(考えたの自分のくせに)
したたかさ、無慈悲さ、冷酷さ、損得勘定、マウンティング、そういった女子特有の黒い部分を描こうと思ったまではいいのですが、なにせ今までが特異すぎたせいか、え?普通の女の子のこんな普通のやり取りを観てお客さんは面白いのだろうか?と書き始めはずっと不安でした。(というわけでそんなのは序盤だけ終了し、本題はそこじゃなくなるのですがね。ちなみに物語の結末を初めて聞いた時のスタッフ陣の反応は「気持ち悪い。」笑)




そんなこんなで脚本を書き上げて迎えた顔合わせ、本読み。
今回は9割がた初めましてのキャスト。女の子全17人。(わぁ女の子ばっかだねぇって在り来たりな感想しか出なかった)
そしてキャスト全員わたしより年下という。これも初めての経験。(ヘラヘラしてる場合じゃない)



いよいよ始まった稽古はみんながとても一生懸命だったと思う。

たくさんの事を吸収しようと、理解しようと、出来るようになろうと、たくさん練習してたくさん考えてたくさん食らい付いてきてくれて、素直で謙虚にいる姿勢がこんなにも成長に繋がるということを改めて証明してくれて、わたし自身も改めて気づかされました。
素直な女の子ほど可愛い生き物はいないと何度思ったことか。
一生懸命な姿勢がどれだけ人の心を動かすかを何度実感したことか。

女の子だけで作るからできる作品、だからこそ、女の子特有の細かい仕草やニュアンス、裏に隠された意味や真意の表現、芯の強さ。それが例えお客さんが気づかないレベルであってもこだわりました。そう、女の子はそういう生き物だから。気づかないレベルの水面下で膨大な駆け引きや心理戦が繰り広げられているから。いつも。

だからわたしは女の子が大好きなんです。なんて複雑な生き物かしらって。(褒めてる)




そして迎えた本番。
不思議と心配とか不安はあまりありませんでした。
絶対にみんなが輝くこと、お客さんの前で一段と輝くことが分かっていたから。
それはやっぱりみんなの強さを知っていたし信じていたからですね。

なにより、公開していたあらすじからは想像もつかないであろう展開を迎える物語と結末。
これにどんな反応をしてもらえるのか、わたし自身もお客さんに観てもらうのが本当に楽しみだったから。(決して楽しくない展開のくせに)


というわけで、どの役もどのキャラクターも、あぁこの子で良かったなっていうのが今回一番思ったこと。
可愛くてまともな役なんてわたしの脚本にはせいぜい一人くらいしか登場しないけれど、みんながしっかり体現してくれたなって。
自分のコンプレックスを心の奥底に抱えて、でもまるでそんなもの無い振りをして、だから好きなことよりも嫌いなものが多い女の子達を、大切に大切に演じてくれたなって。

でも、それもこれも全て今回の物語には必要な要素で、そこからひとり、またひとりと女の子が消えていき、消えた子の記憶は誰にもなく、まるで最初から存在しなかったように振舞われ、“人は認識されないと存在できない”という「実在論」と「反実在論」まで飛躍したお話。そしてすべての根源は主人公の“人の顔が認識できない”という失顔症で。

楽しいゲームの時間は開始20分のみ、あとは転落していく一方の誰も報われないラスト。
お客さんの心に少しでも何か重いものを落とせていたらわたしは嬉しいです。




またひとつ、作品を作れたこと。
わたしの頭の中の世界が立体になったこと。
その物語がたくさんの人の中で一瞬でも存在したこと。

そして今回はなにより、初日が明ける前から全公演完売という嬉しい悲鳴の中、連日満員満席の中、全8回公演を行うことができたこと。


本当にわたしは幸せ者だと思います。




そして。
あまり普段はこのブログで個人的なことは書かないのですが、少しだけ書かせてください。
今回、主演を務めた松村芽久未ちゃん。
初舞台、初主演でした。
松村さん主演でいきたいとプロデューサーから話をもらった時、わたし自身もこれは挑戦だと思い、もちろん「絶対に大丈夫。やる。」と二つ返事で快諾。(THE根拠のない自信)

3月のわたしの演出舞台を観に来てくれた際に初めて会った彼女の印象は、ふんわりしている可愛い女の子でした。だから、何も分からない、全員初めまして、初めて参加する企画、そういう彼女の現状を描写したところから脚本を書き始めた気がします。
もちろん不安がなかったと言えば嘘になるし、たぶんわたしなんかより比べ物にならないくらいの不安を彼女は抱えていたと思うけれど。

でも稽古が始まってからの彼女はとても強かったと思います。右も左も分からない現場、でも誰よりも出番も台詞も重圧もある主演という立場。(そして後半になるにつれてツラい展開ばかりの脚本。笑)

それを逆手に取ったのかと思うくらい、もう稽古場の空気を丸ごと吸収していました。毎日。
誰の目にも明らかな、毎日“昨日”より成長する彼女の姿を見て(もちろん皆の目に見えないところで相当の努力をしていたのだと思うけれど)、キャストはもちろんスタッフまでもが彼女のエネルギーに引っ張られていたと思います。もうどこまで行ってしまうのかと戦々恐々とするくらい…!


そしてそれをしっかりと支えてくれたスタッフの方々、
なにより、公私共に仲良くなり、たくさん話してたくさんの時間を過ごして、でもちゃんと気付いたこと、思ったことを遠慮せずに言い合ったキャストのみんな。
みんなの相乗効果が本当に良いバランスで取れていたのだと思います。今回の現場は特に。
なんかわたし一人いつもヘラヘラしててごめんって感じ。(ぇ




女の子だけの舞台はまた作りたいなぁと思う。
怖いけど、未知数だけど、だから面白いし、同性だから分かることがたくさんある女の子だから。
複雑で多面的なわたしの大好きな女の子。
またみんなに会えますように。






改めまして、
今回このお話をくれた、鈴木エグゼクティブプロデューサー、そして夏樹プロデューサー。
わたしのわがままをたくさん聞いてくれたスタッフの方々。
最後まで信じてついてきてくれた可愛い可愛いキャストのみんな。

そして、応援してくれた皆様、劇場に足を運んでくださったお客様。

「Let’s play a GAME」に関わってくださったすべての皆様に
ありがとうございました。


また会う日まで。




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